特養・ユニットケアへの取組みを考える
 
 かねてから、施設介護の団体ケアについて、その問題点を考えてきました。そして、自分が介護主任になることを切っ掛けに、今度は「具体的に取り組む」ことになったのです。結果からいうと、私の具体的な個別ケアへの取組みはボツになってしまったわけですが、それらも含めて、既存施設のユニットケアについての私の施設での試みの内容を記してみたいと思います。


 どんな形で、業務の改善を行なうにしろ、まずは、「どんなケアをしていきたいか」ということを明確にする必要があると思います。ユニットケアへの取組みは、あくまで利用者のためのもの、職員の都合で片付ける話ではないですもんね


  1. 利用者にとっての基本的な生活(食事、入浴、排泄)について、利用者のペースにあったケアを第一に考えた体制作り
  2. 利用者の安全を確保し、安心して生活してもらえるような環境作り
  3. 利用者の要望にこたえられる柔軟な体制作り


 簡単に言うと、上記のような体制に向けて活動をしていったわけです(ほんとに当たり前のことなんですけど…(;^_^A  )


 良く言われるユニットケアは、利用者を小グループに分けて、そこでの職員も、グループ分けされた体制だと思いますが、私は、まず食事、入浴、排泄についてのケアを見直し、そこから発展させていきたいと思っていました。


 食事については、今まで、ひとつの場所に50人近くが集まって食事をとっていた体制でしたが、やっぱり、家庭環境に照らし合わせると、不自然な体制だと感じていました。なので、50人を食事をするグループ3つに分けて、窮屈な環境からゆとりのある環境をつくることで、利用者に会話などを楽しみながら、食事の時間をすごしてもらいたいと思いました。また、誤嚥や誤飲などが起こった場合の早急な対応も、小グループに分けるほうが迅速にできると思いました。(食事以外の場所を食堂として扱う場合は,用途変更の申請が必要だったような気がしますが、詳しいことは事務長に任せていました(^^; )


 排泄については、今まで、食後の時間に該当する利用者を介助していたことに対して、食後にこだわらず、その人の排泄のペースを見直すことを検討しました。実際、排泄用品をうまく使ったり、一人一人の一日の排泄回数を見直すことで、過不足のないケアになり、利用者にとって負担のない排泄になっていきます。特に、今までは、食後に慌しい時間がまっていたのですが、この時間の事故も多かったと思います。排泄のペースを見直すことで、事故の件数もずいぶん変わるんじゃないかと思いました。また、同じ職員が同じ利用者の排泄介助を行うことで、その人のスキントラブルの防止などにもつながると思います。


 入浴は、今まで、週に四回の入浴日の中で利用者に週二回入浴してもらっていたのですが、一日に入る人数が多く、流れ作業的なケアになりがちでした。そこで、週四回から週六回に入浴日を増やして一日に入浴する利用者の人数を減らし、その分ゆっくりとした一人一人のペースを大事にしたケアを目指しました。職員の配置の仕方によっては、十分に可能なことでした。


 入浴を週六回にすることは困難に思いますが、今まででやってきた業務(例えばリネン交換)は、一日にすべてにするのではなく、毎日少しずつすることで対応できます。むしろ、そのほうが効率がいいと思います。(施設側は入浴回数が増えるから水道代が・・・云々言ってましたけど)ゆっくりと入浴時間を持つことで、例えば着替えなんかも、その都度、利用者と一緒に選んでから入浴することも可能でした。(今までは、決まった曜日に利用者の入浴の着替えをまとめて集めていました。こういう施設って多いですよね)



 当時、業務のシフトをちょっと変えて、一日の職員の配置をちょっと手を加えれば、ほんとにできると思いましたし、できている部分もありました。それに、例えば、食堂を分けることで、今まで机とイスでいっぱいだった場所に新たなスペースができて、レクレーションの場にも使える共有スペースも出てきます。いろいろな可能性があったわけで、そこには、きちんと安全への配慮も考えられていました。


 これらの案を報告書として、実際にどんな職員配置になるかとか、食事、入浴、排泄も、きちんと検討したうえで書類を作り、施設に提出したのですが、「時期尚早」「ほんとにできるのか?」なんていわれるばかりで、結局本格的に実行することはできませんでした。ボツですね(;-_-+)


 もちろんこの案は、自分ひとりで考えたのではなく、介護職員中心で何度も検討して話し合ったことでした。しかし、いくら現場で考えた案だからといって、決定するのは経営者、当時は、施設長からも、「今の職員の人材では不安」とからしく、計画は止まってしまったわけですね。


 施設には施設の都合があり、総合的に判断して、進んでいくものでもあると思いますので、文句は言えません。ただ、これは、本当に利用者のためを考えた案だったと思います。利用者のためにやるという職員が集まって計画したことを、「その人材では不安」というのは、どうなんでしょうか。経営上の都合、労働賃金の都合、とか、理由は他にもあったと思います。でも、職員の人材が理由というのは、個人的にちょっと納得できなかったなあ・・・職員も、介護職として成長したくて、利用者のために何ができるかを考えています。もちろん結果が出ないこともあると思います。


 でも、自分たちは、ユニットケアにこだわったわけではなく、「そのほうが利用者にとっていい」と思ったことをやりたかっただけでした。まあ、自分も若かったので、このときはかなり(−_−メ)でしたよ。でも、仲間と一緒に、ひとつのことに向かって考えることができただけでもよしとしたいです。意味のないことなんて無いとおもいますから

 よく、「みんな平等に」「公平な介護を」なんていうことがありますが、自分は、利用者一人一人の、その方にあったものを提供するという気持ちを平等にもつことだと思っていました。でなければ、ケアプランなんてできないですよね。


 
やりたいことができないことは、たくさんあります。そこにはそれなりの理由があり、自分ひとりだけで仕事をいているわけではないことも分かります。でも、前向きな気持ちは忘れないようにしたいです(^O^)/
 ちなみに、自分がこの職場を退職してから間もなくユニットケアへ取り組んだようです。自分よりも他にいい人材がいたということだったかもしれませんね(T_T)  ちょっと愚痴っぽくなってしまってすいません。





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