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介護主任となり、リスクマネジメントについての取り組みをやることになりました。もちろん今までもやってはいたんですが、主任となると同時に、事故の予防や対策に向けて今まで以上に具体的に取り組むことになったわけです。とはいっても、最初は施設の事故防止マニュアルすらない状態です。要するに何にもしていなかったんですね。今まではそれでとおりました。しかし、これからは違うということです。(やるのは大変なんですけどね・・・) まずは、マニュアル作りですね。緊急時の連絡方法を含めて、事故発生時の手順と、報告書書式の作成についてを考えました。この辺は、職員全体が、事故発生時の対応を統一しておくことが大切に思いますし、こうした基本的なことを考えておかないと、なかなかすすまないですよね。 報告書書式は、一からつくり始めました。最初はどこかの施設のものを少し真似してつくって、少しずつ改良していきました。そして、インシデントについての取組みも合わせて行い、リスクマネジメントを進めていったわけです。 実際に取り組むとき、報告書の資料を基に一年間の事故発生について調べてみると、約100件近くの事故があり、そのうちの半分は「転倒」でした。改めて調べてみると、すごいですね。でも資料を整理して、事故の発生時間や発生場所を調べていくと、それだけで対策が取れたりもします。 事故防止に取り組んだ際に、大切だなあと思ったことを、ちょっと書いてみたいと思います。 生活環境が転倒を防ぐ 杖で歩行している利用者にとって、どんな廊下が歩きやすいのだろうか?なんて考えたときに、うちの施設の場合は、長ーい廊下がまっすぐに伸びていることに視点を置きました。広くて天井の高いスペースは開放感がありますが、広い廊下って、杖で歩く高齢者には少し「怖く」感じるみたいですね。もちろん手すりは設置されていますが、手すりを頼りにすれば目的の場所にいつもいけるわけではなく,特にうちの施設(特養)の場合は、そのあたりの配慮がなされているとはいえませんでした。 長い廊下のところどころに、イスやソファーを設置して、歩行中に少しずつ休憩できるような配慮をしてみると、杖歩行の方の転倒が減りました。もちろん、車椅子で移動している方がほとんどなので、そのあたりの配慮も忘れてはいけません。 ただ、ハード(環境)が与える介護の力って大きいと思います。これは、廊下だけではなく、トイレや入浴場、居室や共有スペースでもいえることだと思います。職員が動きやすい環境は,利用者にとっても動きやすい環境になるようにも思うんです。職員の都合に合わせるだけではいけませんが、生活空間の再検討は、事故防止の第一歩のように感じます。最近は、こうした環境の配慮や、ユニバーサルデザインの視点が施設の建物設計の段階で取り入れられるようになったと聞きます。古い施設からすると、うらやましい限りです(^^) 福祉用具を考えてみる 車椅子は、同一種の大量生産型のものを使用している施設が多いと思います。ただ、一人一人、麻痺や拘縮などそれぞれなので、座位を考えたときには、やはり一人一人にあった車椅子を考えていく必要があると思います。滑り止めのマットや、クッションなどを使って座位姿勢の保持を考えることは、一般的な転倒防止策になっていると思いますが、座位だけでなく、その人にとって自分で操作しやすいものか、扱いやすいものかどうか、などを考えることも大切です。車椅子の座位姿勢を考えただけでよくある「ずり落ち」を防ぐような工夫は多くの施設で行なっていると思います。 ただ、座らせっぱなしにして問題ないから大丈夫!なんてことはないですよね。同じ姿勢にしていることは、体力的にきついという利用者も多いと思います。適度な離床と臥床が必要な利用者もいることは頭に入れておきたいことです。 施設の単一大量生産型の車椅子って、まだまだ重くて、扱いにくく高価なものが多いですね。安くていい製品の充実していけばなあなんて思います(^^) 福祉用具には、ほかにも、ベッドサイドのものや、歩行器、排泄関連の用具、いろいろあります。施設にある福祉用具って数が限られているので、管理等で頭を悩ませている人もおおいと思います。でも、福祉用具にはいろいろな種類があり、やっぱりその人にあったものをつかうことで、安全な生活に導くことができる人も多いと思います。例えば、べッドサイドのつかまり立ちをするための柵(よく使われるのはL字柵)は、その人によって高さや位置が異なってきます。ベッドからの起き上がり時に、良く転んでしまう利用者がいましたが、つかまり立ちバーを設置することで、転倒が減ったという事例もあります。ベッドも低ければそれで安全かとは限らないですよね。 排泄のパターンを考えてみる 自然排便が出ない(便秘)→不穏→下剤を服用する→また不穏になる …なんてパターンは良くあるのではないでしょうか。特に認知症の方は、何かしらの原因で不穏、多動になる方も多いと思います。こうした視点から、事故の防止につなげていくことも大切だと思います。不穏や多動は、転倒だけではなくほかにもいろいろな危険があり、特に認知症の方は注意しなければいけないと思います。この辺りはなかなか難しいことですが、一番近くにいる介護職員しかできないことでもあると思います。 リスクマネジメントとは? リスクマネジメントとは何なのでしょうか。リスクマネジメントについて考えるでも書きましたが、やはり、安全への配慮ということだろうと思います。ただ、その視点は、総合的な判断が必要になってくると思います。 上記に書いたものは、利用者の立場に立った視点で考えたものですが、生活環境やそこで遣われているものの日常の管理、利用者への適切なアセスメント、職員の介護技術、過去のデータ、利用者の生活習慣、様々なものをくみとって、利用者に一番安心してもらえることを考えることなんだと思います。 また、リスクマネージャー的な役割になれば、家族への説明や、記録物の管理など、も含まれてくると思います。そして、それはかなり手間がかかることだと思います。でも、いろいろな情報を介護職員がうまく活用することで、具体的な対策がなされるものだと思っています。 そして、もうひとつ大切だと思うことは、その施設の職員全体で取り組んでいくということです。介護の現場とは直接関わらない職種のかたには、よく会議なんかで、「なんで防げなかったの?」とか「しっかりしろ」とかいわれることもあるのではないでしょうか?(自分の施設では会議なんかでは、よく他の職種の職員からいわれていました(;^_^A…) 確かに、いわれて当然なことはたくさんあるんですよね。人を介護する責任を考えれば、厳しくても仕方ないと思います。でも、「介護職員がやればいい」「自分たちは、口を出すだけ」というような、他職種への押し付けで終わってしまうことでは、介護職員の志気もさがります。協力体制が取れている施設もいっぱいあると思います。もしそうでないなら、リスクマネジメントは施設全体の取組みという認識を忘れてほしくはないなって思います。 事故防止(リスクマネジメント)について、まだまだいっぱいありますが、ちょっと書いて見ました。 |