認知症について知っておきたい基礎知識

 年をとると、物忘れが多くなるというのは、一般に記憶力の低下(脳の神経細胞が減少すること)が原因と捉えられていますが、この物忘れは誰にでもあります。それに比べて認知症は、ただの物忘れとは違い、脳の神経細胞の減少が通常よりも早い状態により起こります。


 認知症とは、「脳や体の疾患を原因として、記憶、判断力などの障害が起こり、普通の生活を送ることに支障をきたす状態」をいいます。例えば、3日前の夕食を食べたのは覚えているが、何を食べたかを覚えていないことを物忘れとしていますが、夕食を食べた行為そのものを忘れてしまう状態が認知症です。介護職として、この毎日の生活を送ることに支障があるということをどう支えるかが大切になってきます。



 物忘れと認知症の違い

 病気によって進行する認知症とは違い、物忘れは病気ではありません。物忘れはあくまで記憶の障害であり、状態も進行するものではありません。それに対して、認知症は、物忘れ以外に、時間や判断力が不確かであり、妄想等の精神症状を伴うことがあります。物忘れは、自覚していることがほとんどですが、認知症は本人がそれに自覚していないことがあります。



 認知症(アルツハイマー病と脳血管障害による認知症)

 認知症の多くはアルツハイマー病と脳血管障害による認知症です。脳血管障害とはいわゆる脳梗塞や脳出血ですね。アルツハイマー病は原因は不明ですが,何らかの原因で,脳の萎縮が急激に起こることにより発病します。日本では、1980年代はアルツハイマー病よりも脳血管障害による認知症患者が多かったといわれていますが、最近では、脳血管障害の認知症よりもアルツハイマー病のほうが多いといわれています。


 アルツハイマー病は、脳の萎縮により、高度の知能の低下や人格障害を引き起こします。ゆっくりと進行し、初期の段階では運動麻痺や感覚障害は出現しません。そして、本人が自覚していないことがほとんどです。


 脳血管障害による認知症は、脳卒中の発作が起こるたびに進行することが多いようで、段階的に進行していきます。ダメージを受けた脳の部分により、障害の出現が異なることが特症で、ダメージの受けていない脳は比較的能力が保たれていることが多く、まだら状に低下していくようです。記憶障害がすすんでも人格面や判断力は比較的保たれていることが多いようです。



 認知症の中核症状

 認知症の中核症状としては記憶障害や、時間や場所、人の顔などが分からなくなる見当識障害。そして、判断力の低下などがあります。物事に対しての正しい作動さ行為がわからなくなる失行や人や物などに対する認識が分からなくなる失認などがあります。



 中核症状に伴う周辺の症状

 中核症状に伴い周辺の症状が出現します。これについては様々な症状がありますが、出現する症状には個人差があります。睡眠障害、徘徊、介護への抵抗、抑うつ状態,異食,過食、依存、不安、攻撃的行動、幻覚、妄想などの症状が、出現しますが、一人の認知症の方にすべての症状が出現するということはすくなく、これらの症状のうちのいくつかが出現することが多いです。



 認知症と介護

 人は、誰であっても年老いていくものです。今までできていた事ができなくなるということは自分の中の何かが喪失している状態とでも言えるのではないでしょうか。認知症には、そんな喪失を受け止めていく必要があると思います。


 高齢者は、家族のような強い絆の支えがある人もいれば、身寄りのない、いわゆる独居の方もいます。自分にとっての支えは何なのか、誰なのか、そうした、身近のことが喪失してしまっているのだとしたら… 認知症の方の心理を考えると、本当に不安な状況におかれているんだと思います。


 認知症の方もそうですが,人を安心させられるような介護者を目指したいですね(^^)





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