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多くの施設でも取り組まれていると思いますが、この年、私の働いている施設でも、身体拘束廃止委員会というものが発足しました。これまで、特養の介護の中には、現実に「人の行動を制限する」ということが行なわれてきました。事故の防止という観点から行なわれていることがおいのですが、これは、「その人の権利を侵害する」ことにもつながりかねません。 これから、私の働いている施設でも身体拘束の廃止に向けて、取り組むようになり、私も設置した委員のメンバーに入ってしまいまして・・・(^^) というわけで、ここでは、身体拘束についてちょっと書いてみたいと思います。 介護保険導入後、身体拘束廃止に向けての取組みが活発になったと思います。介護保険制度は、簡単に言ってしまえば、これまでの受動的なケアから、高齢者の自立を支援することを目的とする自己決定を尊重した、利用者を中心に考えたケアを目指したものといえます。 そして、高齢者の自立を支援するということを考えたときに、高齢者の権利やADL、QOL(生活の質)を具体的に形にしていくことが必要となり、この「身体拘束の廃止」ということについて、取り組むようになったのだと思います。国(厚生労働省)が、身体拘束廃止というものを高齢者福祉の具体的指針として明確に打ち出したことは、高齢者福祉の歴史の中で、とても大きな出来事になったのではないでしょうか。 具体的な身体拘束行為
いやー、こうして改めて具体的な行為を見てみるといろいろな意味で、高齢者(利用者)を縛り付けているなと感じます。けれど、介護保険制度が導入される前は、こうした行為をして利用者の安全を確保してきた施設はかなり多かったことは事実だと思います。実際、私も介護施設でこうした行為を目の当たりにしてきました。車椅子に安全のためのベルトをつけて、その方は、何度もそれを取ろうとするんですが、「危ないからだめですよ」なんていって、職員に見つかる度にベルトを付けなおされる。こうしたことも働きはじめてしばらくすると、不自然に思わなくなっているときがあって…「慣れ」とは本当に怖いです。 具体的な拘束行為に対して、介護保険制度が導入される前の、いわゆる措置の時代の考え方としては、「危険なことをなくす」ための手段と考えることが多かったと思います。ですから、上記のような行為を行なうときでも、職員の立場で言えば、「問題行動があると大変だ」「縛らないと危険」なんて意見が優先されていたと思います。特に認知症の方の症状(問題)は職員が抑えるしかないという先入観も強かったんじゃないでしょうか 実際に、私の働いてきた施設でも、当時、身体拘束廃止に向けての取組みを行なうときに、本当に大丈夫なのか? と不安を感じている職員が多かったと思います。 私が働いていた特養施設では、車椅子にベルトを付けるケースやベッドを柵で囲むケースが一番多く、「職員の人数を増やすことができないのに、拘束行為をやめることで転倒や転落の事故が増えるのではないか?」「安全のためにベルトを付けることがなぜいけないんだ?」という意見がたくさんありました。だから、身体拘束廃止に向けて取り組む際に、現場の職員の意識の統一を図ることが一番難しかったように思います。今まで、リスクを最小限にしてきたものを受け止めていくことは、やっぱり勇気がいることでした。 でも、みんなわかってはいたんです。身体拘束を廃止することは、利用者にとってはとてもいいことで、介護に当たる職員はいろいろと負担も増えるだろうけど、利用者の生活は、いままでよりもその人らしいものになるんじゃないだろうかって心のどこかでは感じていたんだと思います。介護保険制度が始まる前からそう感じていた介護福祉士もたくさんいたと思います。 人を支援するっていうことは、リスクを最小限にすることではなく、その人の長所や短所、病気、生活、意志、いろんのものを受け止めることなんだって感じている職員は確かにいて、ただ、他の職員の事を気にしたり、自分の意志を表出することにいろいろとリスクを感じたり、利用者以外のことばっかり考えていたように思います。 介護保険制度が始まり、厚生労働省の通達で、介護福祉施設の身体拘束行為廃止に向けて具体的に取り組むことは、介護職者全員の意識を統一することが大切です。そのためには、施設トップの強い意志や、委員会を設置するといった計画的な取組みも大切です。そして、やっぱり、相手の立場に立ってその方(利用者)の長所や短所、病気や意志を受け止める勇気と知識が、この取組みの1番の土台になっていると思います。 相手の立場に立って考える これは、いつも大切にしたいことですね(^^) |