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認知症と介護を考える時、記憶のメカニズムについて知っておく必要があると思います。記憶には、記億している時間(保持期間)によって分類する方法と、記憶している内容によって分類する方法というように、大きく2種類に分けられます。 時間による分類 短期記憶 短期記憶とは、数十秒程度の短い保持期間の記憶であり、記銘力、瞬間の記憶などがあてはめられます。例えば、住所録をみて電話番号を暗記した後、住所録を閉じて電話しようとするとき、短期記憶が使われていたり、日常の中でちょっとした瞬間的なことが短期記憶になります。これは繰り返し使わなければすぐに消えてしまう記憶であり、高齢者が苦手な部分です。 長期記憶 長期記憶とは数分〜数十年という長い保持期間の記憶であり、高齢であっても比較的保たれているといわれる記憶です。そして、長期記憶はその内容からエピソード記憶と意味記憶、手続記憶などに分けることができます。 エピソード記憶 エピソード記憶とは、特定の時間に特定の場所であった出来事などに関する記憶のことを言います。(昨日の夕食で食べたおかずを思い出したり、今朝駅で会った友人の顔を思い出すなど)自身が体験した、出会った物(人)などから構成される記憶になり、もっとわかりやすい言い方をすると、『思い出』と呼ばれるものですね(*^_^*)。 意味記憶 意味記憶は、一般的な知識と言い換えることができます。特定の時や場所に関連しない記憶である点が、エピソード記憶とは異なり、「野菜の名前を思いつくかぎり言って下さい」という長谷川式スケールの質問はこの意味記憶をテストしていることになります。質問やクイズのような問題を問われたときは、意味記憶を辿ることが一般的です。 このように、エピソード記憶と意味記憶は意識的な記憶(宣言的記憶)としてとらえられています。 手続記憶 手続き記憶は、技能のように、いわば体で覚えているような記憶をいいます。手続き記憶は制御する機構と脳回路は意識的な記憶(意味記憶やエピソード記憶)とは全く異なると言われ、手続き記憶は簡単に言葉にできないことが多く、意識しなくとも使うことができる物をさします。 手続き学習の例として、バイクの運転の練習、タイピングの練習、楽器の練習、水泳の練習、自転車に乗る、お経を読むなど長い文章の暗唱がある。手続き記憶は非常に永続性がある場合もあります。 ![]() 役割づくりの根拠(手続き記憶を利用しよう!!) 認知症ケアとして多くの現場で取り入れられていることは、「一人ひとりの役割づくり」だと思います。役割があるから認知症高齢者の活気を取り戻せる活力になるし、役割を持つことで認知症症状は落ち着いた人という事例は多いです。 「昔やっていたこと」は手続き記憶を活用した役割づくりだと思います。女性なら家事や育児、男性ならそれまでやっていた仕事や趣味などがいいと思います。 また、生活の中でできることをよく見極めることが大切です。どの部分の能力があり、どれくらい継続できるのかを見極めたうえで役割づくりを進めていかなければ、逆に本人の負担になってしまう。無理やり押し付けてはいけないと思いますし、、出来るだけ本人のペースをうまく引き出したいですね(*^_^*) 役割から得られるものは多く、とりわけ認知症利用者にとってみれば、とても効果があることは現場で活躍している介護職は肌で感じていることだと思いますが、活動の根拠としてこうした記憶能力の整理、分析、活用できる手続き記憶の把握をしてみてはどうでしょうか(*^_^*) |